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【小向厩舎便り】 中野厩務員とピットブル号

2019-02-28-Thu-08:30
【小向厩舎便り】

平成30年度第13回川崎競馬開催いっぱいでフランスへ帰る事になった中野厩務員(山崎裕也厩舎)にお話を伺いました。

中野厩務員とピットブル号
 ピットブル号と中野厩務員-01
 ※画像をクリックすると大きくなります。

Q:今回の開催を最後にフランスに戻られるそうですが、思い入れのある担当馬はいますか?
中野厩務員:ピットブルですね。馬乗りは17年くらいやっているんですけど、一流の馬乗りになりたい、競馬の本場ヨーロッパの人のようになりたいという気持ちを持って仕事をしてきました。
ずっと考えていくうちにこいつ(ピットブル)が全てを教えてくれました。

Q:ピットブルに教えてもらった部分とはどんなところでしょうか?
中野厩務員:能力があるので勝ち上がっていってくれたりしたんですけど、どうしても変な癖が出て走らなくなってしまうんですよね。
以前は、その理由が何かわからなくて。
いろいろ工夫してもだめで、休養明けは良く走るけど、使っていくたびに馬が走らなくなってしまうんです。
その原因が、僕にあるはずなんだよなと思いながらずっと考えていましたが、この3週間ぐらい前に答えがやっとわかって。
それを教えてくれたのが、ピットブルを仕上げていく過程での経験なんです。

Q:何かに気付いたこととは、具体的にはどんなところでしょうか?
馬の上でのバランスのとり方とハミの掛け方そのほか全部です。一番はバランスですね。
馬によって軸を変えるというよりは、乗っている自分の軸ですね。
馬に軸を合わせる。馬には乗っていても冷静にいられる重心があるんですよ。
教えていく中で馬が一番冷静にいられるバランスで走らせると馬は自分の好きなフォームで走っていく。
馬の上で邪魔せず馬自身が自分のフォームで走れると馬は勝手に仕上がってくるんです。

要は全身を使わせる。人間は馬の上で、基本的には邪魔してるだけなんですよね。
それを邪魔しないで「真っ直ぐ走りなさいよ」という誘導だけしてあげれば、自然と自分の意志でまっすぐ走ってくれる。
馬にそうじゃないよ、こうじゃないよと馬の声を聞きながら教えていくうちに馬がそれに応えてくれて、人間の指示を馬がどんどん覚えるんですよね。

今の自分がもっと早い時期にピットブルに出会ったら多分、B1くらいで戦っていると思います。(現在B3クラス)
自分がやったからここまで走るようになったのもあるんですけど、反対に僕のせいでここまでしか走っていないとも言えます。

中野厩務員とピットブル号の調教
 ピットブル号と中野厩務員-02
 (撮影:大川尚之)

Q:思い入れの馬の最後の追い切りに跨ってみてどんな感触でしたか?
やっと最後にこいつに恩返しできるくらい、全能力を発揮出る少し手前まで馬を作れるようになりました。
今までの自分は8割くらいしか作れなかったですけど、9割くらいの馬の能力を出せる状態になっていると思います。
この感覚で乗り続ければ、馬が仕上がっていくと分かったので今回は、自分の思ったような仕上がりで間違いなく馬体が変わっているので、よし大丈夫だと。

Q:今後、フランスでの目標を教えてください。
中野厩務員:今後はフランスの小林厩舎で働くことになるのですが、いい馬に巡り合って日本人コンビで凱旋門賞を勝ちたいです。
川崎にいる間に自分が本物の馬乗りになれなければ、川崎にありがとうございましたと言って辞められないと考えていました。
川崎競馬で丸6年、様々なことを経験してやっと本物の馬乗りになれたなと。
今、フランスに帰るのが楽しみでしょうがないんですよね。
この感覚で馬に乗りたい、向こうでどれだけ通用するのか試したいという気持ちが強いです。

ピットブル号は2月28日(木) 川崎10R(山崎誠士騎手)に出走します。
 
 
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